CD「セザンヌ～フルートとハープによる響き」フルート村上成美 ハープ川崎かぐや
商品説明
セザンヌ～フルートとハープによる響き
村上成美｜フルート 川崎かぐや｜ハープ
Narumi Murakami|Flute Kaguya Kawasaki|Harp
1. C. グノー＝J.S.バッハ：アヴェ・マリア
Johann Sebastian Bach (1685-1750) / Charles Gounod (1818-1893): Ave Maria
2. C.ドビュッシー：夢
Claude Debussy (1862-1918): Rêverie
3. G.フォーレ：コンクール用小品
Gabriel Fauré (1845-1924): Morceau de Concours [Arranged and Edited by Anabel Hulme Brieff]
4. J.ドンジョン：エレジー
Johannès Donjon (1839-1912): Élégie
5. アイルランド民謡：ロンドンデリーの歌
Irish Folk Song: Londonderry Air (Danny Boy) [Arranged by Phil Coulter]
6. イングランド民謡：グリーン・スリーヴス変奏曲
English Folk Song: Greensleeves Variations [Arranged by Louis Fleury]
7. G. ビゼー：奏曲（「カルメン」より）
Georges Bizet (1838-1875): Intermezzo from "Carmen"
8. A. ハッセルマン：5月の詩
Alphonse Hasselmans (1845-1912): Chanson de Mai (Romance sans paroles), Op. 40
9. FJ.ゴセック：タンブーラン
François Joseph Gossec (1734-1829): Tambourin
10. G. ドニゼッティ：ソナタ
Gaetano Donizetti (1797-1848): Sonata
11. W.A. モーツァルト：フルートとハープのための協奏曲 K.299より第2楽章
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791): Concerto for Flute and Harp K.299 2nd Movement
[Cadenza by John Thomas]
12. Fドップラー：ハンガリー田園幻想曲
Franz Doppler (1821-1883): Fantaisie pastorale hongroise Op. 26
Total Time 56:52
■ 村上成美｜フルート 1,7,9,12
Narumi Murakami | Flute
■ 川崎かぐや｜ハープ 1,3,5,12
Kaguya Kawasaki | Harp
録音：2024年2月14、15日
コピスみよし（埼玉）
Recorded: February 14 & 15, 2024
Coppice Miyoshi, Saitama, Japan
表紙：ポール・セザンヌ
《シャトー・ノワールの近くの高台から見たサント＝ヴィクトワール山》／丸沼芸術の森所蔵
Front Cover: Paul Cézanne 〈La Montagne Sainte-Victoire vue d'une hauteur près de Château Noir〉 / Collection of Marunuma Art Park
セザンヌの水彩画が奏でる音楽
《シャトー・ノワールの近くの高台から見たサント＝ヴィクトワール山》と題された1枚の水彩画がある。ポール・セザンヌ（1839-1906）が最晩年に手がけた作品で、山の風景が断続する短い線と透明感のある色彩によって描かれている。サント＝ヴィクトワール山は、セザンヌの故郷、南仏のエクス＝アン＝プロヴァンスの東側にそびえる山で、彼が繰り返し描いたモティーフだった。セザンヌは若くしてパリに出た後、パリとエクスを行き来しながら制作を行った。エクスはセザンヌにとって、パリの騒から距離を置き、絵画に没頭するための大切な場所だったのだ。
フルート奏者の村上成美は、この作品を前にして、かつてエクスを訪れ、サント＝ヴィクトワール山を実際に眺めたときの感動がよみがえったという。そしてこの度、ハーブ奏者の川崎かぐやとともに、セザンヌによせたアルバムの制作に取り組んだ。フランス近代音楽を中心に、親しみやすい民器なども交えて、セザンヌの色彩豊かな世界を音で表現することに挑戦したのである。
セザンヌは1880年頃から堅中な量感を持つ絵画を志向し、親しく交流した印象派の画家たちがら距離を置くようになった。どっしりとそびえるサント=ヴィクトワール山は、この時期のセザンヌにとって、目指す絵画を実現するための格好のモティーフだったに違いない。彼はこの山を様々な有度から描き、代表作を生み出している。
しかし、最晩年になると構築的だったセザンスの絵画は、第に形態の解体へと向かい、色彩による抽象的な表現へと近づいていった。《シャトー・ノワールの近くの高台から見たサントーヴィクトワール山》には、その特徴がよく表れている。さらに、淡い水彩絵具の色面が余白を残しつつ、ときに重なり合いながら置かれた画面には、空気の振動やリズムといった音楽的なものが感じられる。
村上成美が音楽家の鋭敏な感性によって、この作品から豊かなインスピレーションを感じ取ったのは、ごく自然なことだろう。エクスを訪れた思い出とともに奏でられるフルートとハープの美しい調べに、ぜひ耳を傾けていただきたい。
吉岡知子（埼玉県立近代美術館 学芸員）
プロフィール
■ 村上成美｜フルート
兵庫県生まれ。東京藝術大学を経て、同大学大学院を修了。フルートを吉田雅夫、金昌国、ハンスペーター・シュミッツの各氏に師事。同大学管楽器科の助手を務め、独奏者、室内楽奏者として研鑽、活動を重ねる。第3回日本打楽器コンクール入選。アンサンプルofトウキョウのメンバー。
近年は画家コロー、モネ、ワイエス、ゴッホ、シスレーの作品世界をイメージしたアルパムをリリースする等、美術との融合による新たな音楽活動を実践している。
■ 川崎かぐや｜ハープ
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、同大学を経て、同大学大学院修了。第4回日本ハープコンクール他多数入賞。国内外でのソロ、室内楽、スタジオ、オーケストラの客演奏者など多方面で活躍。
現在アサフ音楽院、北鎌倉女子学園にて後進の指導にも力を注ぎ、日本クラシック音楽協会優秀指導者賞受賞。田淵順子、J．モルナール、篠﨑史子、吉野篤子、S.マクドナルドの各氏に師事。一般社団法人川崎紫明音符ビッツ研究所理事。
レコード・プロデューサー：井阪紘
Recording Producer: Hiroshi Isaka (Camerata Tokyo)
Recording Engineer: Yasuhisa Takashima (Camerata Tokyo)
Editing Engineer: Taiki Kubota (Camerata Tokyo)
Design: Yoshihiro O'hara (Camerata Tokyo)
Recording Date: February 14 & 15, 2024
Recording Location: Coppice Miyoshi, Saitama, Japan
Instrument: Muramatsu 24+9K Gold (Flute)
Lyon & Healy Style23 Gold (Harp)
Front Cover: Paul Cézanne
〈La Montagne Sainte-Victoire vue d'une hauteur près de Chateau Noir〉
Collection of Marunuma Art Park
Technical Information
Microphone: SCHOEPS CMC-52SU x 2 (one point)
Microphone Amplifier: John Hardy M-1
A/D Converter: GRACE DESIGN m201
Recorder: MERGING Pyramix 6
Sampling Bit Rates & Frequency: 24 bit / 96 kHz
Monitor Speaker: GENELEC S-30NF
Editing and Mastering System: MERGING Pyramix 6
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